FileMaker Pro 15でPostgreSQLへの接続を試してみる(データのインポート)

月曜日 , 3, 10月 2016 Leave a comment

 

FileMaker Pro 15から外部のデータソースとして、PostgreSQLが選択できるようになりました。
PostgreSQLを使ったシステムを構築することが多いので、今回の新機能を試してみました。

FileMakerの外部のデータソースはODBCを介して接続するので、まずはODBCの接続設定からはじめます。

macOSでPostgreSQLやMySQLなどのオープンソースデータベースを扱う場合、actual technologies社のドライバを使うのが手軽でオススメです。
以前、「OS X上のODBC接続をどうにかできないものか」と色々と挑戦してみましたが、 結局うまく解決できず、actual technologies社のドライバを使ってみたところ一発で解決できました。
有償製品ですが、製品価格40米ドル以上の価値があります。
 

Actual ODBC Driver for Open Source Databases

 

ODBCドライバがインストールされている状態になったところで、macOSのODBC Managerを起動します。

ODBC ManagerはmacOSの「アプリケーション」フォルダ、「ユーティリティ」フォルダの中にあります。

ODBC Manager

ODBC Managerを起動すると、設定済みのデータソース一覧が表示ます。
操作は、Windowsの『ODBCデータソースアドミニストレーター』とほぼ同じで、新規で追加する場合は「追加」 、構成済みの設定を編集する場合は「構成」ボタンを押します。
今回は新規作成なので、「追加」ボタンを押して次へ進めます。

ODBCドライバの選択

接続に使用するODBCドライバを選択します。
Actual Open Source Databasesを選択し「次へ」を押します。
Actual ODBC Driver for Open Source Databasesの設定画面

Actual ODBC Driver for Open Source Databasesの設定ダイアログが表示されます。
「続行」ボタンを押して次へ進めます。Actual ODBC Driver for Open Source Databasesの設定画面

データソースの名前や説明などを入力します。
Actual ODBC Driver for Open Source DatabasesはMySQL、PostgreSQL、SQLiteへ接続できるドライバなので、接続するデータベースの種類もあわせて選択します。
今回は、接続名を「PGFM_TEST」、説明はなし、接続先は「PostgreSQL」にし、「続行」ボタンを押します。

Actual ODBC Driver for Open Source Databasesの設定画面

ここからはPostgreSQLの接続設定になります。
PostgreSQLサーバのIPアドレス(またはホスト名)、ポート番号、接続に使用するログインIDとパスワードを入力します。
設定で接続先データベースなどの追加の構成オプション設定(PostgreSQL固有の設定)を行う場合、「サーバーに接続して追加の構成オプションのデフォルト設定を取得します。」をチェックします。
今回は、追加の構成オプションにチェックをし、「続行」ボタンを押します。

Actual ODBC Driver for Open Source Databasesの設定画面

PostgreSQLサーバへの接続が試みられ、成功すると接続するPostgreSQL上のデータベースの選択ダイアログが表示されます。
コンボボックスに表示されたデータベース一覧の中から接続先を選択し、必要に応じてエンコードの設定などを行い、「続行」ボタンを押します。

Actual ODBC Driver for Open Source Databasesの設定画面

ここまで設定した接続情報が一覧で表示されます。
「テスト」ボタンを押した場合、ここまでの設定でPostgreSQLへの接続テストが行われます。
「完了」ボタンを押した場合、設定が保存されます。
 

ODBC Manager

「完了」ボタンを押し、設定を保存したところ、データソースの一覧に設定した「PGFM_TEST」が追加されました。

ODBCの設定を完了したところで、FileMakerの設定を行います。

FileMakerを起動し、適当なソリューションを作成します。
次に、「ファイル」メニューの「レコードのインポート」「ODBCデータソース」を呼び出します。
FileMakerのODBCインポートメニュー

メニューをクリックすると、インポートを行うODBCデータソースの選択ダイアログが表示されます。
さきほど追加した「PGFM_TEST」を選択し、「続行」ボタンを押します。

データソースの選択ダイアログ

データソースへの接続に使用するユーザ名(ログインID)とパスワードを入力します。
必要に応じて、「ユーザ名とパスワードの保存」をチェックします。
「OK」ボタンを押して次へ進めます。

 

ODBCデータソースのユーザ認証設定

テーブルの一覧にPostgreSQL上のテーブルが表示され、テーブルを選択するとテーブルの列一覧が表示されます。
表示された列を選択し、「SQLクエリーに挿入」ボタンを押すと、SQLクエリーに追加されます。
列の一覧はPostgreSQLの設定状態ではなく、アルファベット順の昇順に表示されるようです。また、複数の列を一括して選択はできないようです。

WHEREタブやORDER BYタブをクリックすると、抽出条件、ソート順が設定できます。

SQLクエリーに直接SQLを書いてしまうこともできます。
この場合、「*」の指定やJOINなども使えてしまうので、SQLに慣れた人の場合、直接書いてしまった方が早いかもしれません。

以前構築した、EAP(従業員支援プログラム)業務向け管理システムの「結婚事由マスタ」をサンプルデータとして使ってみます。

インポートを行うテーブルとフィールドの選択

 

SQLクエリーを設定し、「実行」ボタンを押すとFileMakerのインポート先の設定ダイアログが表示されます。
既存のテーブルにインポートする場合、そのテーブルを選択。新規のテーブルにインポートする場合、リストの「新規テーブル (XXXXXX)」を選択し、PostgreSQL上の列とFileMaker上の列のマッピング設定を行います。

FileMakerへのインポート順設定

 

「インポート」ボタンを押すと、PostgreSQLからのインポートがはじまり、インポート処理が完了すると処理結果が表示されます。ODBCデータソースのインポート結果

インポートされたテーブルの設定状態を確認します。

FileMaker上の設定:
FileMaker上のテーブル設定

PostgreSQL上の設定:PostgreSQL上の設定

PostgreSQL上の設定と比較すると、TIMESTAMP型などもうまく処理されているように見えます。

 

最後にインポートしたデータをFileMaker上で確認します。

最初はフォーム形式。
文字化けも発生せず正常に表示されています。FileMakerでインポートしたデータをプレビュー(フォーム)

 

次に表形式で確認します。FileMakerでインポートしたデータをプレビュー(表)

問題なく、インポートできたようです。

 

 

 

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